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忙しいお父さんのために話題の書を超ざっくり紹介する「お父さんのための読書案内」です。
普段忙しくてなかなか本を読むことができない、でも話題の書籍の内容は知っておきたい、そんな世のお父さん(に限らず皆様)のお役にたてれば幸いです。
第一回目はまさにそんなお父さんにピッタリな書籍『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(著者:三宅香帆)です。
まず、タイトルが秀逸で、「疲れてスマホばっかり見てしまってなかなか本が読めない」という悩みを抱えてている人は非常に多く、そんな人たちに突き刺さるタイトルになっているのではないでしょうか?
本書は「なぜ、現代の労働者は本を読まなくなりスマホを見る時間が長くなったのか」ということを、労働者にとっての読書の位置づけを歴史的な視点から紐解いています。
戦後やオイルショック~バブル期においては、読書は労働者の自己啓発(教養を身に付けたり会社が求める知識の習得)の手段として有効であり、娯楽としての要素もあったことから多くの労働者が読書をしていました。
バブル期以降~現代においては、働く=「自己実現」が労働者の一つのテーマとなり、労働者はより効率的に無駄のない自己実現のための「情報」を求めるようになっていきました。合わせてITの発展にともない、読書の位置づけは必要な情報以外の「ノイズ」を含むものとみなされます。
結果、人々は、自分が求めている「情報」により効率的にアクセスできるインターネットにより多くの時間を割くようになったということです。
このあたりは、多くの方が実感を持っていると思うので、違和感はなく「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という問いに対する答えとしてはしっくりくる(というか「まあそうでしょう」と当然のように感じる)点だと思います。
とは言え、本書は労働者と読書の関係を歴史的な視点でよくまとめられている点では面白いです。
まさに本書の内容は現代人における「ノイズ」的位置づけてなのですが、本書ではその「ノイズ」を取り入れる余裕のある生き方を提唱しています。
本書は多くの読者から支持を受け、発売1週間で10万部を突破し、2025年の新書大賞を受賞するなど高い評価を得ています。 また、2024年の年間ベストセラー1位(新書ノンフィクション部門)や、第2回書店員が選ぶノンフィクション大賞2024の受賞など、多くの賞を受賞しています。
興味がある方は是非本書を手に取ってみてください!